第15章 検索

1. 検索ウィンドウ
1.1. 検索
1.2. 検索する対象
2. ワイルドカードの使用
3. 検索方法と設定
4. 検索結果の表示
5. 編集ウィンドウの分節に検索フィルターをかける

1. 検索ウィンドウ

図15.1 テキスト検索ウィンドウ

テキスト検索ウィンドウ

注記

上の検索例では、すべての訳文分節から、訳文言語(ここではスロヴェニア語)ではありえなさそうな文字が使われている箇所を検索しています。

1.1. 検索

OmegaT は強力な文字列検索機能を備えています。Ctrl+F で文字列検索ウィンドウを開き、[検索文字列]欄に検索したい単語または語句を入力します。または、編集ウィンドウであらかじめ検索したい単語や語句を選択してから、Ctrl+F を押します。この場合、[検索文字列]欄に単語または語句が自動的に入力されます。検索ウィンドウはいくつも同時に開いておくことができます。しかし、デスクトップを散らかさないように、検索が終わったら閉じることを忘れないでください。

1.2. 検索する対象

検索は、デフォルトでそのプロジェクトの原文と訳文の両方に対して行われます。しかし、原文のみ、あるいは訳文のみに限定することもできます。以下を検索できます:

  • プロジェクトのみ(デフォルトの設定)

  • プロジェクトの内部翻訳メモリと、tm フォルダーにある翻訳メモリ(参考翻訳メモリ検索を参照してください)の両方

  • 任意のファイル、または複数ファイルを含む任意のフォルダー(ファイル検索を参照してください)

(翻訳メモリではない)複数のファイルを検索する場合、対象となるファイルは、OmegaT が対応している原文ファイル形式に限定されます。そのため、OmegaT は TMX ファイルの検索にも対応していますが、ファイル検索機能からは対象外になります。詳細設定を表示すると、翻訳者の名前や、翻訳が最後に更新された日時を指定して、検索することができるようになります。

2. ワイルドカードの使用

完全一致検索とキーワード検索では、ワイルドカードとして「*」と「?」を使用できます。Word ユーザーにはおなじみでしょうが、意味は次の通りです:

  • 「*」は、0個以上の任意の文字と一致します。たとえば、検索文字列が「run*」である場合は、「run」「runs」「running」に一致します。

  • 「?」は任意の1文字と一致します。たとえば、検索文字列が「run?」である場合は、「runs」や、「running」の中の「runn」の部分に一致します。

一致した文字列は、青い太字で表示されます。「*」と「?」は正規表現において特別な意味を持つことに注意してください。ここで説明したワイルドカード文字は、あくまで完全一致検索とキーワード検索にだけ当てはまるものです(下記を参照してください)。

3. 検索方法と設定

ラジオボタンで検索方法を選択してください。以下の検索方法を利用できます:

完全一致検索

指定した文字列をそのまま含む分節を検索します。完全一致検索は、指定された文字列を「語句」として検索します。つまり、複数の単語を指定した場合、それらの単語の並びまで同じ語句を含む検索結果のみが表示されます。文字列「open file」を検索した場合、「open file」とは一致しますが、「file opened」や「open input file」とは一致しません。

キーワード検索

指定したすべてのキーワードを含む分節を検索します。指定した順序は問いません。複数の単語の登場順を問わないような検索を行いたい場合は、それらの単語を空白で区切って入力し、[キーワード検索]を選択してください。OmegaT は、指定した単語をすべて含む、すべての分節の一覧を表示します。キーワード検索は、Google などのインターネット検索エンジンにおける「すべてを含む」検索(AND 検索)に似ています。キーワード「open file」を検索した場合、「open file」と一致するのはもちろんですが、「file opened」や「open input file」「file may not be safe to open」などとも同じように一致します。

正規表現

検索文字列が正規表現として扱われます。たとえば上の図で指定されている「[a-zA-Z]+[öäüqwß]」という検索文字列は、ドイツ語配列のキーボードでは不自然な文字が使われている箇所を訳文から検索しています。正規表現は、文字列を検索するにあたって、とても効果的な方法です。詳しくは「正規表現」の章を参照してください。

上記いずれの方法についても、以下のオプションを指定できます:

  • 大文字と小文字を区別:指定した文字列そのものを検索します。大文字と小文字の違いも含めて、一致を判断します。

  • 原文を検索:原文分節から検索します。

  • 訳文を検索:訳文分節から検索します。

  • メモを検索:メモから検索します。

  • 翻訳メモリを検索:tm フォルダー内の翻訳メモリから検索します。

  • 繰り返し結果も表示:このチェックボックスのチェックを外すと、結果に重複する内容が含まれている場合は、最初の内容のみが表示されます。

[詳細設定]ボタンをクリックすると、上の図でも見ることができるように、追加の条件欄(翻訳者の名前や、翻訳が最後に更新された日時)が表示されます。

4. 検索結果の表示

[検索文字列]欄に文字列を入力し[検索]ボタンをクリックすると、プロジェクトから、その文字列を含むすべての分節が表示されます。OmegaT は、同一の分節を1つの実体として扱うので、見つかった最初の分節のみを表示します。検索された分節は、プロジェクト中で現れる順に表示されます。翻訳済みの分節は、その原文とともに表示されます。上段が原文、下段が訳文です。未翻訳の分節は、原文のみが表示されます。

結果表示欄の分節をダブルクリックすると、修正できるように、編集ウィンドウ上で該当する分節に移動します。必要であれば、用語の修正を行うため、検索ウィンドウに戻って、検索された次の分節を確認することもできます。

同時に複数の検索ウィンドウを開くことができます。検索ウィンドウのウィンドウタイトルには検索文字列が設定されるため、検索ウィンドウが複数開いていても、容易に識別できます。

5. 編集ウィンドウの分節に検索フィルターをかける

検索結果の分節間を移動しやすいように、編集ウィンドウに対して検索フィルターをかけることができます。最下部にある[フィルター]ボタンをクリックすると、編集ウィンドウには現在の検索条件に一致する分節のみが表示されます。分節間の移動には、通常の移動コマンド([次の分節]や[次の未翻訳分節]など)を使用できます。

注意事項:

  • 検索結果には上限(既定で 1,000 件)があるため、一般的な語句を検索した場合、編集ウィンドウには検索条件に合致するすべての分節が表示されるのではなく、その中の 1,000 件だけが表示されることになります。
  • 検索条件に合致する分節を含むファイルが見つからない場合は、空白の画面が表示されます。
  • [繰り返し結果も表示]の設定がオフになっている場合、繰り返しに該当する分節は編集ウィンドウ上でも表示されません。

フィルターを解除するには、[フィルターを解除]ボタンをクリックするか、またはプロジェクトを再読み込みしてください。